債務整理の依頼先「弁護士の辞任通知」が届くことがあります。これまで貸金業者との間を取り持ってくれていた存在がいなくなることで、借金に苦しんでいた時期まで状況が逆戻りしてしまうかもしれません。

そもそもなぜ弁護士辞任が起きてしまうのでしょうか。その後の影響や対応方法も心配です。それぞれ詳しく見ていきましょう。

弁護士の辞任とは

弁護士辞任とは「依頼人の代理として活動する契約(=受任契約)を終了させる」という意味です。

弁護士がやってくれていた交渉・連絡の取次ぎ・事務処理などの一切の業務は、辞任により代理権がなくなることで、今後任せることが出来なくなります。

弁護士が辞任する理由

弁護士辞任

 

弁護士が辞める理由は、ほぼ全てのケースで「依頼人との信頼関係破たん」です。

整理手続き中~手続き後にわたって以下のような行動が見られると、約束を守らない・アドバイスに従ってくれないと見なされ、弁護士からの信頼が失われて辞任に繋がってしまいます。

依頼人が書類収集に協力しない

整理手続きの書類のなかには、依頼人自身で集める必要があるものも多くあります。しかし、これを面倒だ・大変だと感じる人も一定数いるでしょう。

 

問題は、弁護士から指示されているにも関わらず、数ヵ月から半年以上に渡って書類収集を怠ってしまうケースです。何度も手続きが進まないと催促を受けるうちに、弁護士から匙を投げられてしまうことになります。

必要な弁護士費用を払わない

債務整理でかかる費用については、依頼人の負担とならないよう後払い・分割払いに対応してくれる弁護士がほとんどです。

 

しかし、支払い約束がきちんと守られるとも限りません。依頼人が弁護士費用を払わない・途中で支払いを止めてしまうというケースもあります。

弁護士はあくまでも営利目的ですから、こうした未払い問題は容認できません。そのまま業務を続けて借金減額が実現したとしても、弁護士費用すら支払いを怠る依頼人が完済できるとは思えないでしょう。そこで、辞任という判断に至ります。

任意整理or個人再生後に2回以上滞納した

弁護士にきちんと協力して費用を支払い、債務整理そのものは成功しているケースです。手続き後も借金が残る任意整理・個人再生では、弁護士の口座に毎月振込むかたちで返済を続けなければなりません。

 

ところがやはり、生活のひっ迫等を理由に再び返済が難しくなってしまうケースがあります。

こういった場合、2回以上の滞納で一括返済・強制執行へと移ってしまうでしょう。債務整理の再交渉を検討したいところですが、成功の望みは極めて低くなります。そもそも弁護士と依頼人との間の信頼関係ももはやありません。

以上のような理由から、弁護士辞任が起きてしまいます。

弁護士辞任の影響

頭を抱える

 

弁護士は「借金の減額交渉役」であるとともに「督促や債権回収訴訟を食い止める役」でもあります。

それゆえに、弁護士がいなくなることによる影響は、決して小さいものではありません。

督促が再開される

弁護士と債務者との受任契約があるうちは、貸金業法21条の規定により債権者からの直接連絡が禁止されています。

しかしいったん弁護士がいなくなれば、債権者は自由に督促を行って構いません。弁護士は交渉中(もしくは以前交渉した)貸金業者にも辞任通知を送っているので、督促が自由に行えることは債務者・債権者が同じタイミングで知ることになります。

したがって債務者側では、弁護士辞任を知ると同時に「家の電話が鳴りやまず督促状もどんどん届く」という状況になるでしょう。

債権回収訴訟が始まる・再開される

それまでは弁護士が貸金業者に対して「債権回収訴訟を起こす必要はない」と説明してくれていましたが、弁護士がいなくなれば貸金業者を思いとどまらせる方法はありません。

弁護士辞任と同時に、訴訟・強制執行申立てが始まってしまう可能性があるのです。債権者が銀行である場合は、裁判所での手続きを経ずに預金口座凍結へと踏み切る可能性もあります。

整理手続きは依頼人が引き継ぐ

整理手続き中で何らかの交渉が行われている間に弁護士が辞めてしまった場合、手続きは依頼人が引き継ぎます。

「自分で何とかやってみるしかない」と思っていても、実際に始めると上手くいかないでしょう。話し合いがどう進んでいたかは弁護士にしか分からない部分もあり、当然依頼人には法的交渉の知識がないからです。

結果として手続きに失敗し、強制執行されるか自己破産するかの2択しかなくなる可能性があります。

支払った弁護士費用は返還されない

弁護士が辞めてしまっても、それまで支払った費用が返還されることはありません。辞任までのあいだはきちんと各種対応を行っており、これに対する報酬は発生しているからです。

他に生じる影響とあいまって「お金だけ失って債務整理前よりも悪い状況になってしまった」という失敗に繋がるでしょう。

弁護士に辞任された時の対処法

弁護士からの説明

 

万が一辞任通知を受け取ってしまった場合、対処法はたったひとつです。それは「他の弁護士に手続きを引き継いでもらう」というものです。

ただし、引き継ぎ先の弁護士は、基本的に依頼人自身で探さなければなりません。無事に引き継げたとしても、再び辞任されないよう十分気を付ける必要があります。

弁護士辞任を防ぐには

信頼関係を壊さないようきちんと注意すれば、弁護士辞任はまずありません。「弁護士に怒られたことがある」「すでに辞任されてしまった」と言う人は、以下のポイントについて振り返ってみましょう。

弁護士の指示・弁護士との約束を守る

書類準備・面談日時など、弁護士との間であった指示や約束はきちんと守りましょう。守れない場合は事前連絡を欠かさず行う必要があります。

嘘をついたり隠したりしない

借金の経緯は誰にとっても恥ずかしいものです。「債務整理によって大切な資産をなくすのではないか」と不安に思う人も大勢いるでしょう。

だからと言って、本当のことを話さない・財産を隠すというのは禁物です。弁護士の手で状況にきちんと処置が行われるはずだったのに、嘘が原因で整理手続き中にハプニングが起き、回り回って依頼人の不利になる可能性があるでしょう。

弁護士にきちんと全て打ち明ければ、債務整理は決して怖い手続きではありません。依頼した以上は全幅の信頼をおいてやりとりを行いましょう。

まとめ

弁護士辞任は滅多に起こる事ではなく、依頼人との信頼関係が決定的に破たんするような出来事がおきたときに限られます。指示に従い約束を守っていれば、辞任されることは基本的にありません。

しかし万一のことがあった場合、辞任から受けるデメリットは無視できないものです。速やかに引き継ぎ先の弁護士を探しましょう。

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