すぐに借金問題を解決したいと願っていても、なかなか相談できずに何となく返済を続けている人が多いのではないでしょうか?
「借金問題の終わり=完済した時点」ではありません。債務整理の手続き&流れ・このまま何もせず払い続けた場合のリスクを知ることで、つらい毎日の出口が見えてきますよ。

 

債務整理の手続き期間は3~6ヵ月程度

債務整理は3~6ヵ月かかる

弁護士に相談してから債務整理手続きが終わるまで、目安として3カ月程度~6ヵ月程度です。
借金を整理する方法は「任意整理」「個人再生」「自己破産」の3つですが、どの場合でも手続きが始まる前に債権調査(借金全体と過払い金発生状況の調査)を1ヵ月程度行います。その後は、貸金業者との話し合いだけで解決するか・裁判所で決着をつけるかのいずれかによって、期間が大きく変化します。

債務整理にかかる時間のめやす
手続きの種類 債権調査 手続き終了まで トータル
任意整理 1カ月程度 2~5カ月程度 3~6ヵ月程度
個人再生 1ヵ月半程度 5~6カ月程度 7~8か月程度
自己破産 2ヵ月程度” 4~8カ月程度 6~10ヵ月程度

 

任意整理の流れ&期間

任意整理は、原則として貸金業者との話し合いだけで解決します。過払い金請求で話し合いが決裂した場合などは、訴訟で和解or判決をもらうことで決着します。

任意整理の流れ

①債権調査:1カ月程度
②利息&過払い金の引き直し計算:数日~1週間程度
③債権者との交渉:2か月程度
④和解契約締結:数日~1週間程度
⑤返済再開:翌月から

弁護士に依頼することでスピードアップするため、3~4か月弱で済むのが一般的です。貸金業者がなかなか条件に納得せず訴訟になった場合は、さらに2ヵ月ほど延びます。

訴えられても、依頼した人本人が対応する必要はありません。裁判所での手続きや受け答えは、すべて弁護士にお任せできます。

 


手続きにかかる時間の詳細は、こちらでも解説しています→

任意整理手続きや和解にかかる期間はどのくらい?


 

個人再生の流れ&期間

個人再生では、弁護士への依頼から手続き終了までトータル6カ月程度です。任意整理とは異なり裁判所上の手続きとなるため、スケジュール通りに・期間に大きな変更なく進むのが一般的です。

個人再生の流れ

①債権調査:1ヵ月半~2ヵ月程度
②再生申立:書類提出の当日中
③個人再生委員の選任:2週間程度
④手続開始決定:2週間程度
⑤裁判所による債権調査:2~3ヵ月程度
⑥再生計画案の提出:1~2ヵ月程度
⑦再生計画認可:2ヵ月程度

手続きには2種類あり、債権者の半数以上の賛成が必須となる「小規模個人再生」・債権者に意見だけ求める「給与所得者等再生」があります。債務減額の計算方法に違いがあり、小規模個人再生の方がやや減額幅が安くなります。
2種類の手続きのあいだに、そのほかの大きな違いはありません。裁判所に申立てを行い、返済計画を提出して認められれば手続き成功です。

 


手続きにかかる時間の詳細は、こちらでも解説しています→

個人再生にかかる期間はどのくらい?個人再生で借金減額!


 

自己破産の流れ&期間

自己破産手続きの場合、裁判所による財産調査が行われるかどうかで大きく期間が変わります。
破産法上のルールでは、原則として調査は欠かせません。そのために破産管財人(裁判所が選んだ財産調査担当者)の選任し、調査の結果判明した資産は債権者に分配されます。

この手続きは「管財事件(少額管財)」と呼ばれています。

管財事件の流れ

①債権調査:2ヵ月程度
②破産申立:書類提出の当日中
③手続開始決定+管財人選任:2~3週間程度
④債権者集会&財産の分配:手続開始決定の3~4ヵ月後
⑤免責審尋:債権者集会終了後2週間程度
⑥免責決定:審尋の約2週間後

…トータル7~10カ月程度

例外的に、裁判所が「分配できる財産がないことは明らか(調査不要)」と判断するケースがあります。この場合の手続きは「同時廃止事件」と呼ばれ、破産管財人の選任も省略されます。

同時廃止事件の流れ

①債権調査:2ヵ月程度
②破産申立:書類提出の当日中
③手続開始決定:2~3週間程度
④免責審尋:2~3ヵ月程度
⑤免責決定:審尋の約2週間後

…トータル6カ月程度

財産調査が省略されるかどうかは、申立時までの状況によって異なります。
裁判所が最も重視するのは「自己破産手続きが弁護士に依頼されていて、すでに家計の調査&報告が終わっている状況か」という点です。免責不許可事由(債権者に害を与えるような行為等)がないことも、同時廃止事件として取り扱ってもらうためのポイントです。

 


手続きにかかる時間の詳細は、こちらでも解説しています→

自己破産にかかる期間はどのくらい?申立や手続き期間は?


 

債務整理の本当の終わりは「完済+ブラック解消」

債務整理の手続きが終了しても、すぐに借金問題の悪影響がなくなるわけではありません。任意整理・個人再生では手続き後も債務が残っているため、3~5年のあいだ分割返済する必要があります。
返済義務がなくなり、さらに信用情報から債務整理の記録が抹消されてから(ブラックリスト解消)、ようやく借金問題は完全に解決します。

 

ブラックリストに載る期間

債務整理による金融ブラック化が解消されるまで、最長10年かかります。解消までのあいだは与信審査に通ることはほぼ不可能です。

ブラックリストに載る期間
手続きの種類 完済までの期間 ブラック解消までの期間
任意整理 3~5年 完済から3~5年
個人再生 3~5年 手続き終了から10年
自己破産 手続き終了と同時に返済義務がなくなる 手続き終了から10年

 

債務整理を先延ばしにした場合のデメリット

債務整理の着手が遅れるとどうなる?

「債務整理しなくても家計収支が改善すれば完済できる」と努力を重ねる人もいますが、これは決して良い考えではありません。
すでに滞納を何度も繰り返していると、債務整理した人と同じように、新しいローン契約を結ぶことは困難です。そのうえ契約金利・遅延損害金がどんどん積み重なり、完済とブラック解消がますます遠のきます。

 

減額成功率は時間とともに下がる

残債から利息と過払い金を引き直す「任意整理」・持ち家を残しながら大幅に減額してもらう「個人再生」の成功は、返済中でも生活できる程度の家計収支であることが条件です。
とはいえ借金問題では、返済をつづけるほど家計が苦しくなることは避けられません。その状況で完済を約束しながら債務減額を求めても、裁判所や債権者から「本当に今の状況でなお返済を続けられるのか?」と疑問を抱かれてしまいます。これに対してきちんと説明できなければ、減額に応じてもらえません。結果的に、自己破産しか道はなくなります。
借金問題をできるだけ早く解決するなら、専門家への相談そのものを早めることが大切です。

 

長期滞納=債務整理より危険

滞納を繰り返すことで強制解約されたり、2ヵ月以上返済を待ってもらったりした場合は、債務整理と同じくらい重大な金融事故扱いとなっています。

強制解約・長期滞納で起こること

①61日以上の滞納で、完済後5年間まで重大金融事故扱いとなる。
②保証会社による残債立替がおこると、訴訟や差し押さえがすぐに始まる。
③長引くor頻発する滞納が原因で、任意整理交渉に応じてもらいにくくなる。

※代位弁済とは:保証会社による立て替えが起こること

このような事態が一度起こってしまうと、完済できても以降5年間はローンを組むことが出来ません。高額な利息と遅延損害金が日々加算されるため、そもそも完済自体が難しい状況です。
早めに相談して金利や過払い金をカットしてもらうことが、結果的に借金問題の解決を早めます。

 

まとめ

債務整理の手続き期間は、手続き方法によってそれぞれ異なります。状況によって長引く場合もありますが、その原因は相談が遅れたこと・債務額が膨らみすぎてしまったことです。

依頼から手続き終了までかかる時間

任意整理(過払い金の有無に関わらず):3~6カ月
個人再生:6カ月程度
自己破産:6~9カ月程度

債務整理の手続きが終了しても、すぐに借金問題の悪影響が解消されるわけではありません。完済してさらにブラックリスト状態が解消されることで、ようやく借金問題は完全に解決します。
滞納を繰り返したり家計が悪化するまで先延ばしにするのは禁物です。
早めに相談してより多くの選択肢を残すことが、結果的に借金問題の解決を早めます。

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