消費者金融や銀行カードローンなど無担保の借金はたくさんありますが、これらの無担保の借金がかさんで支払が苦しくなってくると、不動産担保ローンをすすめられることがあります。そもそも不動産担保ローンとはどのようなローンなのでしょうか。そこに潜む危険性や、利用の際の注意点も気になるところです。
今回は、不動産担保ローンの危険性や注意点について先生に聞いてみましょう!
理解を深めるために不動産担保ローンのおさらい

先生、こんにちは。今日は、不動産担保ローンの危険性や、利用の際の注意点について教えてください。

不動産担保ローンは、自宅などの不動産を担保にして借金するタイプのローンですね。ローン会社なども実施していますし、銀行のおまとめローンの場合にも不動産を担保にすることがあります。

不動産担保ローンの担保とは、「抵当権」のことなんですよね?

そうです。住宅ローンも自宅不動産を担保にしていますよ。

他人の借金のために自分の不動産を担保にすることも出来るんですか?

不動産担保ローンでは、担保不動産に価値があればローン審査に通って利用する事が出来るので、たとえば父親名義の不動産であっても担保価値が足りれば不動産担保ローンの利用は出来ますよ。

消費者金融などの借金がかさんだ場合に不動産担保ローンを利用するとメリットはあるんですか?

不動産担保ローンは、担保がある分利率が低いことが普通です。でもこのメリットよりもデメリット(危険性)が大きすぎるので、利用はお勧めできません。
不動産担保ローンで家が無くなることはある?

不動産担保ローンにはどのような危険性があるんですか?

不動産担保ローンを利用した場合、借金返済が出来なくなると抵当権を実行されて担保に入れた不動産が競売にかけられてしまいます。すると、当然その不動産が無くなってしまいますよ

自宅を担保に入れる場合も多いと思いますが、その場合は自宅が無くなってしまうということですか?

そうなります。しかも、競売になると自宅は通常価格の7割程度の金額でしか売れないので、借金返済に充てて返ってくる金額も大変少なくなり、損をすることになります。

それは大変ですね。
不動産担保ローンの利用でその他のデメリットは?

不動産担保ローンを利用する際、もう一つ注意点があります。それは、住宅ローンを組んでいる場合に、ローン会社などからの不動産担保ローンを利用する場合です。

その場合、不動産担保ローンのローン会社などは住宅ローン債権者より後順位になるので、2番抵当権や3番抵当権などになりますよね?

そうです。そして、その場合には、個人再生で住宅資金特別条項(住宅ローン特則)が使えないと言うことになってしまいますよ。

住宅ローン特則とは、住宅ローン支払い中の場合に、住宅ローンだけはそのまま支払って他の借金を減額することにより、住宅を守る手続きのことですよね。

そうです。住宅資金特別条項は、住宅ローン債権者以外の担保がついていると利用出来ないのです。だから不動産担保ローンを利用している場合、住宅ローン特則を使って住宅を守ることが出来なくなるおそれがあります。

それは困ります。住宅ローンがある場合には、不動産担保ローンを利用するのは危険ですね。
不動産担保ローンは低金利(相場は年利2.9%~15%)を強みとしているものが数多くありますが、実はそれほどお得とは言えません。ネット銀行のカードローンを中心に、年利1%~2%の無担保ローンが増えているからです。
担保があるぶん審査が通りやすい点は、確かに不動産担保ローンのメリットと評価できます。しかし、返済負担や利息の安さを重視するなら、他にもさまざまな選択肢があるでしょう。
でも借金返済が苦しい時にはどうすればいいの?

不動産担保ローンの危険性や注意点については理解していただけた事でしょう。不動産担保ローンは危険なので、なるべくなら利用すべきではありません。

借金返済が出来ないなら、不動産担保ローンなどを利用するよりも債務整理で解決することが有効ですね。

はい。債務整理は弁護士などの法律家に相談依頼する方法がベストです。1度無料相談を利用して弁護士などに話を聞いてみると良いでしょう。

わかりました。ありがとうございました。
不動産担保ローンを利用すると、借金返済が出来なくなった場合に自宅などの不動産が無くなる危険性があります。また、不動産担保ローンがあると、個人再生の住宅資金特別条項が利用出来なくなるおそれが高いという注意点もあります。借金返済が苦しい場合には、不動産担保ローンではなく弁護士に無料相談して債務整理する方法で解決しましょう。