今回は、慰謝料が自己破産してもなくならないのかどうかについて、先生に聞いてみましょう!
自己破産しても免責されない債務がある!

先生、こんにちは。今日は慰謝料は自己破産をしても免責されないのかについて教えてください。

こんにちは。自己破産をすると基本的にすべての債務の支払義務が免責によってなくなりますよ。

でも、自己破産しても免責されない債務があるんですよね?

それはあります。たとえば税金や健康保険料などの公租公課、養育費や婚姻費用などは非免責債権となるので、自己破産をしても免責の対象になりませんよ。

慰謝料についても非免責債権になって、免責されないんじゃないですか?

すべての慰謝料ではありませんが、非免責債権になる慰謝料もあります。

やっぱりそうなんですね。
故意または重過失で与えた身体・生命への不法行為の慰謝料

自己破産をしても免責されない非免責債権の慰謝料には、どのようなものがあるんでしょうか?

まず、故意または重過失で加えた身体・生命への不法行為の慰謝料は免責の対象になりませんよ(破産法253条1項3号)。

それは具体的にはどういう意味ですか?

わざとや、著しい不注意のせいで、相手方の身体を傷つけたり命を奪ってしまった場合の慰謝料のことです。

なるほど、それは大変なことですね。自己破産をしても免責されないのも理解できます。
悪意で加えた不法行為の慰謝料

自己破産で免責されない慰謝料としては、悪意で加えた不法行為の慰謝料もあります。これも非免責債権となって免責されませんよ(破産法253条1項2号)。

そうなんですね。それは具体的にはどのような場合ですか?

「悪意」というのは、積極的に相手方を傷つけてやろうという意思を言いますよ。ただ「わざと」とか「知っていて」やったという場合よりも相手への加害意思が強い場合です。

ということは、単なる不倫の慰謝料などの場合には悪意の不法行為にあたらないということですか?

その場合には該当しないでしょうね。悪意の不法行為の例としては、人の財産を盗んだり、詐欺をはたらいてだまし取ったり、会社のお金を横領したり恐喝するなど、犯罪行為やそれに近いものが挙げられますよ。

なるほど、自己破産をしても免責されない慰謝料は、かなり限定されたものになるのですね。

そういうことです。一般的な不法行為の慰謝料は自己破産免責の対象になると考えて大丈夫です。

なるほど、よくわかりました。
自己破産でよくわからないことがあったら

今回慰謝料は自己破産をしても免責されるのかどうかを教えていただきましたが、このような問題は弁護士などの専門家に聞かないと、素人ではまったくわからないことですね。

そうですね。だから自己破産で心配事がある場合には、弁護士に相談して話を聞いてみることが大切ですよ。

確かにそうですね。そのためには、まずは気軽な無料相談を利用すると良さそうですね。

はい、そのとおりです。がんばってくださいね!
自己破産をすると、一般的な不法行為にもとづく慰謝料は免責によって支払い義務がなくなります。故意または重過失にもとづく身体や生命に対する不法行為の慰謝料や、悪意で加えた不法行為の慰謝料は非免責債権となって免責されませんが、これらのケースは限定的です。
自己破産手続きについて心配事がある場合には、無料相談を利用して弁護士に相談しましょう。