今回は、自己破産や個人再生において一部の債権者に支払いをするとどうなるのかについて、先生に聞いてみましょう!
目次
自己破産や個人再生では債権者を平等に扱う必要がある!

先生、こんにちは。今日は自己破産や個人再生手続きを利用する際に一部の債権者だけに支払いをするとどうなるのかについて、教えて下さい。

こんにちは。自己破産や個人再生では、一部の債権者にだけ支払いをすることは認められていませんよ。

やっぱりそうなんですね。それはいったいどうしてなんですか?

これらの手続きでは、すべての債権者を平等に扱わないといけないという原則があるからです。

じゃあ、友人などからの借り入れがあって、その借金だけを返済し続けることはできないのですね。

それはできません。そんなことをすると自己破産や個人再生手続きそのものが失敗してしまいますよ。
自己破産で一部の債権者だけに支払いするとどうなる?

自己破産や個人再生で一部の債権者に支払いをすると、具体的にどのような問題が発生するのですか?

まず自己破産の場合には免責が認められなくなる可能性が出てきますよ。

免責というのは、借金を0にしてもらうための決定ですよね。その免責が降りなくなってしまうと言うことですか?

そういうことです。一部の債権者にだけ支払うことを「偏頗弁済」といいますが、偏頗弁済は免責不許可事由になっているので、一部の債権者にだけ支払いをしていると免責が認められなくなるのです。

なるほど、そうなんですね。そんなことになったら自己破産を申し立てた意味がなくなってしまいますね。

そういうことになります。
個人再生で一部の債権者だけに支払いするとどうなる?

一部の債権者に支払いをした場合の自己破産への影響はわかりましたが、個人再生の場合にはどのような影響があるんでしょうか?

個人再生手続きにおいて一部の債権者にだけ支払うという偏頗弁済があると、その弁済した金額の分、支払う金額が高くなってしまいますよ。

たとえば一部の債権者に200万円を支払ったら、再生債務に200万円が加算されてしまうと言うことですか?

そうですね。個人再生では債務者が所有している財産分は最低限支払いをしないといけないという「清算価値保障原則」がありますよ。

それは知っています。たとえば200万円の財産がある人の場合には最低200万円を支払わないといけないということですよね?

そうです。そして、偏頗弁済があると、この清算価値保障原則の計算の際に、偏頗弁済した金額もプラスされてしまうことになります。

じゃあ、偏頗弁済があると、結果的にその分支払い金額が増えてしまう可能性が高まりますね。

そうなります。また、偏頗弁済が悪質な場合には個人再生の申立が棄却されてしまう可能性もありますよ。

そうなんですね。
自己破産や個人再生で失敗しないために

個人再生や自己破産では一部の債権者にだけ支払いをしてはいけないことがわかりましたが、このようなことは弁護士に聞かないとわからないことですね。

はい、だからこれらの手続きを利用したい場合には弁護士などに相談することが必須ですよ。

じゃあ、まずは無料相談を利用して弁護士にアドバイスをもらうといいですね。

そのとおりです。がんばってくださいね!
自己破産や個人再生では一部の債権者にだけ支払いをすることは許されません。自己破産では偏頗弁済があると免責不許可事由になりますし、個人再生では偏頗弁済があると最低弁済額が高くなります。悪質な場合には再生申立が棄却されることもあります。
自己破産や個人再生を利用する場合には弁護士に相談しましょう。