消費者金融やクレジットカード、銀行カードローンなどの借金がかさんで返済が苦しくなったら個人再生などの債務整理手続きが有効です。しかし、住宅ローン支払い中の場合に債務整理をすると、自宅が競売にかかって自宅を失う結果になってしまうことがあります。
債務整理の中でも個人再生の住宅ローン特則を利用すると、自宅を守ることが出来るのでしょうか。
今回は、個人再生の住宅ローン特則について、先生に聞いてみましょう!
住宅ローンを債務整理すると自宅がなくなる!

先生、こんにちは。今日は、個人再生の住宅ローン特則について教えてください。

住宅ローン特則は、正式名称を住宅資金特別条項と言いますよ。住宅ローン特則というのは通称名です。

そうなんですね。住宅ローンがある場合に債務整理をすると原則的に住宅は無くなるんですか?

そうなります。住宅ローンがある場合、自宅に住宅ローン債権者からの抵当権が設定されるので、住宅ローンを債務整理すると抵当権が実行されて家が競売にかかってしまいますよ。

そうなったら家には住めなくなりますよね。
個人再生の住宅ローン特則とは

個人再生の住宅ローン特則を利用すると、住宅ローンがあっても自宅を守ることが出来るんですよね?

どのような場合でも必ず守ることが出来るとは言い切れませんが、守ることができる可能性があります。

住宅ローン特則の仕組みは、どうなっているんですか?住宅ローンだけを特別扱いするということになるんですか?

そうです。住宅資金特別条項を利用する場合、住宅ローンだけはそのまま支払って、他の借金だけを減額することが出来ます。だから、住宅ローン債権者によって抵当権を実行されることもなく、家を守ることが出来ます。

なるほど、そうなんですね。住宅資金特別条項を利用出来ない場合もあるんですか?

それはあります。たとえば住宅ローンの他に抵当権を設定している債権者がいる場合です。

それは、不動産担保ローンがある場合などですね。

そうです。他にも、収入が少なかったり安定しないなど理由で支払能力が足りず、減額した借金と住宅ローンの両方を支払っていける見込みがない場合なども、裁判所に再生計画を認可してもらえませんよ。

その場合も住宅資金特別条項を利用して個人再生することが出来ませんよね。住宅ローンを滞納しすぎている場合も、住宅ローン特則を利用出来なくなることがありますか?

滞納期間があまりにも長くなると利用出来なくなることがあります。保証会社が代位弁済して6ヶ月以上経つと基本的に住宅ローン特則を利用出来なくなりますよ。

滞納期間が長くなりすぎると未払住宅ローンの金額も高くなりますよね。

そうです。住宅ローン特則を利用する場合に住宅ローンの滞納があると、滞納分、利息、遅延損害金を支払う必要があります。滞納期間が長くなると、利息や遅延損害金などもかさみ支払額が高くなりすぎて、結局再生計画が立てられなくなるケースが多いです。

そうなんですね。
【ポイント】固定資産税の未払いにも注意
地域ごとの裁判所の運用により若干異なるものの、住宅ローン特則は「固定資産税を滞納せず支払っていること」も適用要件のひとつです。税金が債務整理の対象外である以上、納税できていない状態で特則適用を認めても、後々また返済に追われることになりかねないからです。
個人再生を意識しはじめたら、税金の未納がないか確認しましょう。
住宅ローン特則を利用したい場合には?

個人再生の住宅ローン特則のことがよくわかりました。自分の場合に住宅ローン特則が利用出来るのかについては、弁護士によく聞いてみる必要がありそうですね。

そのとおりです。実際に個人再生を申し立てる際にも弁護士の力を借りることはほぼ必須ですよ。

じゃあ、住宅ローン支払い中で個人再生手続きを利用したい場合には、1度無料相談を利用して弁護士に相談するのが良さそうですね。

はい、それがベストです。がんばってくださいね!
住宅ローン支払い中で借金返済が苦しい場合には、個人再生の住宅ローン特則(住宅資金特別条項)を利用すると自宅を守りながら借金を減額することが出来ます。ただし、どのような場合でも住宅ローン特則を利用出来るわけではありません。個人再生の住宅ローン特則を利用したい場合には、無料相談を利用して弁護士相談を受けましょう。