「過払い金請求には特にデメリットがない」と思い込んでいませんか?
グレーゾーン金利時代と同じ金融機関でローン利用を続けていると、過払い金を取り戻すことで金融ブラック化してしまうことがあります。

請求リスクを理解して、これまでのローン利用履歴・持っているクレジットカード等の契約先を一度振り返ってみましょう。

 

過払い金請求は信用情報に記録されない

過払い金請求はブラックリスト化しない?

 

過払い金請求をしたことは信用情報に記録されず、ローン審査の判断材料にもなりません。払いすぎた利息を取り戻す権利(不当利得請求権)はローン契約時に取り決めたものではなく、その人の返済能力を示す尺度でもないからです。

 

【参考】JICC(日本信用情報機構)が扱う登録内容

  • 本人を特定するための情報
  • 契約内容に関する情報
  • 返済状況に関する情報
  • 取引事実(減額交渉・差押え・強制執行・破産)に関する情報
  • 申込みに関する情報
  • 電話帳に記載された情報
  • 本人または家族から申し出が合った内容

→過払い金請求に関する情報は、登録内容に含まれていないことが分かります。(参考リンク

JICCと同じように、他の信用情報機関(CIC・KSC)でも取り扱う個人情報(登録内容)が厳しく指定しています。

どの機関でも、過払い金請求手続きは指定内容に含まれていません。もしローン契約者本人に断りなく登録されていると、それはプライバシー保護の観点で問題とされてしまいます。

 

過払い金請求でブラック化する仕組み

過払い金請求で金融ブラック化する原因&仕組みとは?

 

ところが、過払い金請求=返済トラブルという扱いを受けて信用情報に登録されてしまうケースがあります。

その原因となるのは、現在利用中のクレジットカード・消費者金融の残債です。利息返還の交換条件として「いったん全額返済してほしい」と要求され、これに応えられないまま請求を続けてしまうことで金融事故化してしまうのです。

【過払い金請求でブラックリスト入りしてしまう時の流れ

  1. 残債のある会社に対し過払い金請求を行う
  2. 「期限の利益」を喪失し、残債の一括返済が求められる
  3. 再度分割返済に戻してもらうための交渉を行う
  4. 和解契約を結び、返済を続ける(金融ブラック化)

そもそもローン契約とは、一括返済を前提にしています。無理のない範囲で分割返済できる契約は、債権者から「期限の利益」という優遇を受けているに過ぎません。

法律改正に伴うものとはいえ、何年も前の契約で合意したはずの利息を返すのは、債権者にとって一方的に不利です。「優遇を取り消さなければ公平ではない」と主張されることが原因で、このようなトラブルに発展してしまいます。

 

過払い金請求でブラック化しやすい人・状況

過払い金請求にはリスクあり!ずっと同じ金融機関を利用している人は要注意

 

金融ブラック化のリスクが高いのは「過払い金発生当時のローン契約が残っている場合」です。

クレジットカードや消費者金融でのキャッシング契約は、完済しても手続きしない限り解約されません。契約が残っている状態で過払い金請求を行うと「ひとまず今の借入残高を清算してほしい(一括返済できない場合は金融事故扱いになる)」と言われてしまいます。

過払い金請求でブラック化しやすい状況

  • 2010年6月※以前から、同じ銀行or金融機関とずっと取引している
  • 長年利用しているカード会社が、ローン利用中の別の銀行と合併した
  • もともと街金を利用していたが、完済後に大手消費者金融に吸収合併されてしまった

※グレーゾーン金利が最後に廃止されたのは、改正利息制限法が完全施行された2010年6月18日

過払い金発生当時の契約=貸金業者の吸収合併で残っている可能性大

2010年以前に営業していた貸金業者の多くは、大手消費者金融や銀行に吸収合併されることで存続しています。

運営企業が変わっても、ローン契約はそのまま新体制に引き継がれます。その一方でATM用カードが再発行されたり・請求書の差出人名が変わったりするため、利用中の人は「まったく別の契約に更新されている」と勘違いしてしまうのです。

【例①】大手消費者金融が街金を吸収した例

2010年以前の街金(中小消費者金融)で発生した過払い金請求先は、大手消費者金融となるものも数多く存在します。

  • 「ハッピークレジット」の過払い金請求先→現アイフル
  • 「キャッシュワン」の過払い金請求先→現アコム
  • 「三洋信販」の過払い金請求先→現プロミス
  • 「アットローン」の過払い金請求先→現プロミス

もしこれらの大手消費者金融のカードローンを利用していると、借入残高の一括請求に移行する可能性が極めて高いと言えます。

【例】クレジットカードを発行する「楽天カード」の場合

→2010年まで発行されていた「マイワンカード(MY ONE )」が前身。

もともとはあおぞら銀行が運営していた消費者金融系のカードで、ショッピング機能あり・キャッシング機能のみなど様々な種類のカードが発行されていました。

マイワンカードは過払い金請求対象ですが、楽天系のクレジットカードorローンカードを利用している人は、請求によって楽天の借入残高を一括返済するよう求められる可能性があります。

この例で取り上げたように、過払い金請求の根拠となるローンの多くは、現在も大手会社で運営が続けられています。請求による金融ブラック化を避けるなら、過去のローン契約と債権者の現在までの状況をしっかり把握しておく必要があります。

 

当時の借入残高が知らずに滞納状態になっているケースもある

過払い金請求がピークに達した2010年代、貸金業者側の混乱が原因で督促されないまま放置されている借入残高も多くあります。

これらの借金が消滅時効※を迎える前に請求を始めると、思いがけず「まずは残債を清算してほしい」と要求されることになります。

※消滅時効とは:民法の規定で、督促がないまま債務者もその存在を忘れてしまった借金は「最後の支払いから5年で返済義務が消滅する」とされています。

 

また、消滅時効の知識がないまま過払い金請求を始めるのは危険です。
貸金業者に「利息を返還するので書類にサインしてほしい」と頼まれて応じてしまうことで、本来ならもう返済義務のない借入残高が復活してしまうこともあります。
問題解決法に知見のある専門家にきちんと取引履歴を調べてもらってからでないと、金融ブラック化を確実に回避することは出来ません。

 

弁護士は「損のない過払い金請求」が実現できる

過払い金請求のリスクを最小限にする方法

 

過払い金請求で金融ブラック化というデメリットを被らないようにするには、弁護士の力が何より欠かせません。

【弁護士のメリット】

  1. 各貸金業者の状況・過払い金請求に対する応じ方に熟知している
  2. いま利用しているローンの内容から、利息返還請求のデメリットを分析できる
  3. 金融ブラック化しないための交渉テクニックがある

今から請求に着手すると、10年近く前のローン利用状況について交渉を進めなければなりません。
債権者にとって利息返還請求は損でしかないため、交換条件を突き付けられたり訴訟に発展したりする可能性は高いと言えます。
ローン契約が専門の弁護士なら、貸金業者の状況・ケースごとに違う金融ブラック化のリスクを把握した上で「本当にいま請求すべきかどうか」を教えてもらえます。

 


過払い金請求のデメリットについては、こちらの記事でも解説しています→『過払い金請求にデメリットはある?家族に知られることは?


 

まとめ:ローン利用中の人なら誰にでもブラック化のリスクがある

過払い金請求で金融ブラック化することは、本来なら有り得ません。
ところが「借入残高の一括清算」を交換条件として提示されると、それに応じられないことで信用情報が傷ついてしまいます。

過払い金発生当時の貸金業者をそうと知らずに現在も利用している人は、決して少なくありません。ローンを利用する人なら誰にもでも、過払い金請求によるブラックリスト掲載のリスクはあると言えます。
今後の生活に思わぬ悪影響が出ないよう、必ず専門家にアドバイスをもらってから請求手続きを始めましょう。

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