弁護士とバッジ

行政書士や司法書士も過払い金請求をサポートできますが、法の定めにより行える業務には制限があります。

 

過払い金の請求は、取引履歴の開示請求から引き直し計算、貸金業者との交渉、裁判まで、煩雑な作業をトータルで行える弁護士に依頼することが最もおすすめです。

 

ここでは、その5つの理由について具体的にご紹介します。法律のエキスパートに依頼して、過払い金をスムーズに返還してもらいましょう。

理由1. 行政書士では過払い金請求の代理人はできない

「過払い金請求を行政書士に依頼したい」とお考えの方はちょっとお待ち下さい。

 

行政書士には定められた業務の範囲があり、行えるのは下記の業務までです。[注1]

  • 官公署に提出する書類の作成とその代理、相談業務
  • 権利義務に関する書類の作成とその代理、相談業務

つまり、過払い金請求においても、行政書士が行えるのは、必要書類の作成やアドバイスなど、あくまでサポートのような業務だけとなります。

 

それだけで良いのであれば、費用の安い行政書士に依頼するという手もあります。しかし、行政書士は下記の制約を受けることを考えておきましょう。

  • 代理人になれない
  • 裁判手続きはできない

貸金業者と交渉したり、代理人となって裁判手続きをしたりしてもらいたい場合に、行政書士では対応できません。

 

難しいと感じる案件であれば、裁判に発展する可能性があることを考慮し、やはり最初から弁護士に依頼することをおすすめします。

 

[注1]日本行政書士会連合会:行政書士の業務

理由2. 弁護士・行政書士・司法書士の中で紛争事案を扱えるのは弁護士のみ

相談の対応をする弁護士

弁護士・行政書士・司法書士には行える業務に違いがあります。それぞれの役割をまとめるとおよそ下記のようになります。

 

弁護士 ・法律に関する業務全般
(法律相談・交渉・訴訟・調停など)
行政書士 ・書類作成業務
(内容証明の作成・遺産分割協議書の作成など)
司法書士 ・登記に関する業務
(不動産登記など)
・簡易裁判所における訴額140万円以下の訴訟、民事調停、仲裁事件、裁判外和解等の代理及びこれらに関する相談(認定司法書士に限る)[注2]

 

弁護士であれば、基本的には行政書士・司法書士の仕事を行うことができます。法律に関わる業務であれば「全般的に行える」優位な存在といえます。

 

これに対し、行える業務に制限があるのが行政書士、司法書士です。

 

一般的には書類作成などの同じ業務を依頼するのであれば、弁護士、司法書士、行政書士の順番で費用が高いと言われています。

 

絶対に書類作成のみの依頼となる事案であれば行政書士や司法書士に依頼するのも良いでしょう。

 

しかし、もしも途中で裁判に発展した場合に、結局新たに弁護士を依頼することになり、手間も費用もかかってしまうこともあります。

 

過払い金請求を弁護士に依頼する費用の相場は下記のようになります。

 

【過払い金請求で弁護士にかかる費用の相場】

種別 相場 支払う時期
相談料 5,000円〜10,000円/1時間
(初回無料の場合も)
相談事
着手金 20,000〜40,000円 正式な依頼事
報奨金 返還額の20%前後 事件終了後

 

この他に、日当、手数料、実費などがかかることがありますが、金額や内容は契約によって異なります。相談時にしっかり確認をしておく必要があります。

 

相談したからといって必ずしも依頼しなくても良いため、法律相談だけでも気軽に利用してみることも一つの手です。

 

[注2]日本司法書士会連合会:司法書士の業務

理由3. 司法書士は140万円を超える債務の代理人はできない

過払い金の請求においては、司法書士は1社あたり140万円を超える債務がある場合の依頼を受けることはできません。

 

種別 弁護士 司法書士
訴額140万円以上の
訴訟、民事調停、仲裁事件、
和解等の代理・相談
訴額140万円以下の
訴訟、民事調停、仲裁事件、
和解等の代理・相談

(認定司法書士は可能)

 

例えば、4社にそれぞれ100万円を借りて合計400万円の債務があるとします。

 

この場合は、総額では140万円を超えていますが、1社においては140万円以下となるため、司法書士は代理人となって交渉できます。

 

しかし、1社でも140万円を超えている場合、司法書士が代理人を務めることは違法になります。

 

ここで注意したいのは、140万円を超えないと思って依頼したとしても、貸金業者の方で140万円を超えていると主張した場合には、不明確な事案として司法書士が代理人業務を行えなくなることです。

 

そうなると司法書士にサポートしてもらいながら本人訴訟、ということもありえます。一般的には本人訴訟は不安があるため、やはり弁護士に依頼し直す方が多くなります。

 

いずれにしても手間のかかることになりますから、最初から弁護士に依頼するほうが安心ですね。

理由4. 弁護士なら積極的に訴訟を利用できるため有利な和解を得やすい

印鑑

過払い金の請求では、貸金業者も訴訟は回避したがるものです。

 

貸金業者は明るみになっていない過払い取引を多数抱えている現状があります。訴訟となって不利な判決が出れば、将来的にその他の事案にも影響を与えることは避けられません。

 

また、訴えられると貸金業者としても煩雑な手間や費用がかかることを懸念しています。

 

このため、弁護士が積極的に訴訟も辞さない態度で交渉に臨めば、依頼者に有利な和解ができる可能性が高くなります。

 

また、いざ訴訟となった場合にも、弁護士が代理する場合には依頼者は出頭しなくて良いというメリットもあります。

 

平日の日中に何度も出頭するのは働く人にとっては大変な負担です。

 

法律を熟知した専門的技術を持つ弁護士が徹底的な訴訟により金額の返還を求めるのにお任せしたほうが断然有利な交渉ができますよ。

理由5. 弁護士なら控訴を恐れず交渉できる

貸金業者は、簡易裁判所で不利な判決を下されたら地裁に控訴できます。

 

もしも司法書士であったら地裁では代理することができません。そうなるとどうしても本人の出頭の負担を考慮して妥協した金額で和解せざるを得ません。

 

弁護士であれば、貸金業者が「簡易裁判所で負けたら控訴する」と脅してきても、譲歩することはありません。

 

依頼者側に弁護士がついていて、「控訴を恐れない」という状況では、こちらに強みがあるため、有利な交渉ができるでしょう。

過払い金請求はトータルで十分な対応ができる弁護士に依頼しよう

行政書士と司法書士は登記や書類作成を専門に行い、弁護士はさらに代理人として相手と交渉できます。

もしも裁判に発展した時には結局は弁護士を依頼することになるため、最初から全てに対応ができる弁護士に依頼しておくのがおすすめですよ。

 

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