消費者金融やクレジットカードなどの債務がかさんで支払が苦しくなった場合、個人再生で解決することがあります。個人再生を利用すると、借金返済額が大幅に減額出来るので、劇的に状況が改善されますが、税金や健康保険料、養育費などの債務がある場合には、個人再生で減額してもらうことが出来ないのでしょうか。
今回は、税金や健康保険料、養育費などの債務が個人再生で減額出来るのかどうかについて、先生に聞いてみましょう!
個人再生について簡単におさらい

先生、こんにちは。今日は、税金や健康保険料、養育費などの債務は個人再生でも減額されないのかどうかを教えてください。

こんにちは。個人再生は、裁判所に申し立てをして、借金返済額を大幅に減額してもらう債務整理手続きの事ですね。

はい、たとえば借金額が1500万円未満の場合なら、最大5分の1まで借金返済額が減額出来るんですよね。

そうです。ただ、個人再生でも減額出来ない債務がいくつかありますよ。
税金や健康保険料は減額されるの?

税金や健康保険料の滞納がある場合には、個人再生でも減額してもらえないんですか?

それらの債務は減額してもらえません。税金や健康保険料のような公租公課は「一般優先債権」という種類の債権であり、個人再生手続きの対象にならないのです。よって、個人再生手続きに関係なく、随時弁済を受けることが出来るとされています。

他には一般優先債権はないんですか?

たとえば未払い賃金なども一般優先債権になるので、減額の対象になりませんよ。
そもそも、税金や健康保険料は債務整理の対象には含められません。減額を求めるのであれば、納付先の市区町村役場や税務署に相談し、分割払いや減免制度を利用する必要があります。
養育費や個人再生委員への報酬は減額される?

養育費の支払を滞納している場合などにも、その養育費は個人再生で減額してもらえないんですか?

養育費も個人再生で減額してもらえません。養育費は「共益債権」という種類の債権に分類されて、個人再生手続きの対象にならないからです。

共益債権には他にどのような債務がありますか?

たとえば個人再生委員の報酬や、手続き開始後の水道光熱費や家賃などの支払いなども共益債権になり、随時弁済されることになりますよ。

養育費を減額してもらうことは、一切出来ないんですか?

養育費の支払いが苦しい場合には、個人再生ではなく家庭裁判所で養育費調停をすることによって、養育費の支払金額を子供の養育者との間で話し合う必要があります。

なるほど、そうなんですね。よくわかりました。
個人再生する場合には弁護士相談する!

借金を大幅に減額してもらえるので大変有用な個人再生ですが、税金や健康保険料、養育費など手続きの対象にならない債権がいくつかあることには注意が必要ですよ。

そうですね。個人再生する場合には、いろいろと難しい問題があるので弁護士などの専門家に相談することが重要そうですね。

はい。また個人再生は裁判所に申し立てが必要な複雑な手続きなので、弁護士などに依頼することがほぼ必須になります。

じゃあ、借金返済が苦しくて個人再生を検討している場合には、1度弁護士などに相談してみる必要がありそうですね。

はい。まずは、各法律事務所や法務事務所が実施している無料相談を利用してみると良いでしょう。

弁護士なら、一般優先債権や共益債権などの問題についてもきっちり終えてくれるので安心ですね。

そのとおりです。がんばってくださいね!
個人再生をしても、税金や健康保険料、養育費などの債権は減額出来ません。これらは一般優先債権や共益債権に該当し、個人再生の手続きの対象にならないからです。個人再生手続きを利用する場合には、弁護士や司法書士などの専門家の力を借りることがほぼ必須になります。個人再生を検討している場合には、無料相談を利用して弁護士に話を聞いてみることがおすすめです。