住宅や車などの資産を購入する場合、高額なので一括支払いすることが難しくローンを組むことが多いです。これらのローンを住宅ローンや自動車ローンと言いますが、住宅ローンや車ローンには、住宅や車を担保に入れるという点で共通点があります。
実はこの住宅ローンと車ローンの仕組みはとても似ています。
今回は、住宅ローンや車ローンの担保権の仕組みについて先生に聞いてみましょう!
住宅ローンの抵当権とは

先生、こんにちは。今日は、住宅ローンや車ローンについている「担保権」の問題について教えてください。

こんにちは。住宅や車を購入する場合、代金が高額なので一括払いすることが出来ずにローンを組むことが多いですよね。

はい、その場合のローンが住宅ローンであり、車ローンです。これらのローンには、ローン債権者から担保権を設定されるんですよね。

そうです。まず、住宅ローンの場合には「抵当権」という担保権を設定されますよ。

抵当権が設定されると不動産登記もされますよね。この場合、住宅ローン返済を滞納すると、債権者が自宅を差し押さえて競売にかけてしまうんですよね。

はい、そうです。債務整理手続きに入った場合にも競売にかけられますよ。住宅ローン債権者は、住宅の売却金から優先して借金返済を受けることが出来ます。これが「抵当権」の内容です。
自己破産手続きを開始すると、破産法により強制執行(差押え等)は禁止されます。その一方で、抵当権の実行(競売手続き)は止めることが出来ません。
「抵当権」は債権者保護に傾いており、いったん財産処分が始まってしまえば打つ手の少ない制度なのです。
車ローンの所有権留保とは

車の場合にも担保権がありますよね。これは「抵当権」とは違うんですか?

違います。「抵当権」は不動産にしか設定出来ないので、車ローンには利用出来ないんです。

じゃあ、車の場合には担保権の設定が出来ないんじゃないですか?

実際には「所有権留保」という方法が執られています。

それなら聞いたことがあります。車ローン完済時までの間は、車の名義をローン会社にしておくんですよね。

そうです。ローン完済までに返済が滞ったり債務整理をすると、車ローン債権者が所有権にもとづいて車を引き上げてしまうのですよ。

それで、その車を売却したお金からローン会社は借金の返済を受けるのですね。

そういうことです。先ほどの住宅ローンの場合の抵当権と非常によく似ていますよね。

そうですね。車ローンの場合には抵当権の設定が出来ないので、所有権留保という工夫をしているのですね。

そういうことです。これらの担保権が設定されているローンの場合、返済が滞ると目的の物件を失うことになるので注意が必要ですよ。
ローン返済が出来なくなったら

住宅ローンや車ローンの返済が出来ない場合、返済せずに放置していると家や自動車が無くなるので影響が大きいですね。

はい、だからこれらのローン返済が苦しくなったらすぐに弁護士や司法書士などの専門家に相談することが大切ですよ。

そうですね。ローン返済を滞納していても、自宅や車を守る方法はあるんですか?

滞納期間が短ければ守ることは充分に可能です。また、債務整理方法を工夫することによって、家や車を守る方法もあります。

そのような専門的な手続きを執るには、やはり専門家の知識や助けが必要になりますね。

そのとおりです。住宅ローンや車ローンを滞納したり、滞納しそうな場合には、すぐに弁護士に相談に行きましょう。

まずは無料相談を利用すると良さそうですね。

そのとおりです。がんばってくださいね。
住宅ローンや車ローンには担保権が設定されています。住宅ローンの場合には抵当権、車ローンの場合には所有権留保と言います。どちらの場合も、ローン返済を滞納すると、自宅や車などの対象財産が差し押さえられたり引き上げられたりして、手元から失われることになります。住宅ローンや車ローンを滞納したり、滞納しそうな場合にはすぐに弁護士などの専門家に相談しましょう。