消費者金融やクレジットカードなどの債務がかさんで多重債務者状態になってしまったら、任意整理が有効な解決方法になります。任意整理する場合には、弁護士や司法書士などの専門家に依頼する方法が一般的ですが、任意整理手続きにおいて弁護士と司法書士にはどのような違いがあるのでしょうか。
今回は、任意整理する場合の弁護士と司法書士の違いについて、先生に聞いてみましょう!
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任意整理は弁護士や司法書士に依頼する

先生、こんにちは。今日は、任意整理をする場合の弁護士と司法書士の違いについて教えてください。

こんにちは。任意整理は自分で手続きするよりも専門家に相談依頼する方がメリットが大きいですよ。

任意整理を相談依頼する専門家は、弁護士や司法書士なんですよね?

はい、そのどちらも法律の専門家なので、任意整理の依頼を受けて手続をすすめて債権者と和解することができます。

今回は、同じ専門家と言っても弁護士と司法書士の何が違うのかが知りたいんです。
任意整理における司法書士の制限は?

任意整理は弁護士にも司法書士にも依頼出来ますが、弁護士と司法書士では取り扱える金額が違いますよ。

それは、司法書士の場合には取り扱える金額に制限があるということですか?

そうです。司法書士の場合、取り扱いができる金額が140万円までの事件とされています。

ということは、任意整理でも140万円を超える事件は、司法書士では解決できないことになるんですか?

そうです。そして、140万円という金額の具体的な計算方法は、任意整理で減額出来た金額が基準になります。たとえば利息制限法を超過する取引があって、任意整理の交渉により借金返済額が140万円を超えて減額できた場合には、司法書士はその事件の合意をすることができなくなります。

それは大変ですね。任意整理の途中で司法書士が対処できなくなったらどうすればいいんでしょうか?

その場合には、自分で対処するか、あらためて弁護士に相談依頼するしかなくなります。

弁護士には取扱金額に制限がないんですか?

それはありません。弁護士は対象金額がいくらであっても、どのような種類の事件でも取り扱いができます。
司法書士は過払い金請求の場合も制限がある

任意整理では過払い金請求をすることもありますが、司法書士の場合過払い金請求する場合にも、取扱金額による制限が問題になりますよ。

司法書士は弁護士と違い、過払い金請求の場合も140万円を超える金額の請求はできないんですか?

はい、できません。いったんは司法書士に過払い金請求を依頼していても、取引履歴を取り寄せて計算してみたら過払い金が140万円を超えていた場合には、そのまま司法書士に手続をすすめてもらうことができなくなります。

その場合も、やっぱりあらためて弁護士に相談依頼しないといけなくなるんでしょうか?

そうなってしまいます。その意味では過払い金請求をする場合には、はじめから弁護士に依頼する方が良いでしょうね。
【ポイント】訴訟代理権
司法書士には「訴訟代理権」がなく、地裁より上位の裁判所で依頼人の代理を務めることはできません。過払い金請求額が140万円以内におさまっていたとしても、訴訟手続きまでお任せできる弁護士に依頼することをおすすめします。
費用に関する違い

費用については、よく弁護士よりも司法書士の方が安いと聞きますが、本当でしょうか?

確かに世間ではそのように言われていますが、任意整理や過払い金請求手続の場合、弁護士と司法書士の費用にほとんど違いはないですよ。

そうなんですね。今回任意整理手続きの弁護士と司法書士の違いについて教えてもらいましたが、任意整理を具体的に進める場合には、まずは専門家の相談を受ける必要がありますよね。

そうです。そのためには、各法律事務所が実施している無料相談を利用するのがおすすめですよ。

わかりました。ありがとうございました。
任意整理での弁護士と司法書士の違いは、司法書士の場合には取り扱える金額に制限があるということが挙げられます。司法書士の場合、借金の減額分が140万円を超えたり、140万円を超える過払い金請求手続をすることはできません。任意整理にかかる費用については、弁護士も司法書士もさほどの違いはありません。任意整理を進めたい場合には、無料相談を利用して弁護士などの専門家に相談しましょう。