多数の金融機関から返済計画を立てることなくお金を借りてしまうと、必ず借金まみれの状態に陥ります。自宅に度重なる督促に関する電話や通知書が届き、今後の生活について不安な思いを抱えていませんか?
「借金まみれの生活から逃れたい!」「借金のために、自分の財産を差し押さえされたくない!」と感じているのなら、具体的な回避方法について学んでおくことをおすすめします。今回は、借金問題による差し押さえを回避するための重要な手続きについて解説します。
目次
借金まみれになると、差し押さえられる?
借金を抱えると「あらゆるものが、すべて差し押さえられてしまう!」と見聞きします。そのため、なんとしてでも差し押さえだけは、回避したいと思うでしょう。しかし、差し押さえについて詳しく知る方はあまり見かけません。ここでは、借金まみれになると、何を差し押さえられてしまうのか、ひとつずつ整理していきます。
差し押さえとは?
差し押さえとは、借金によって返済が滞っている債務者に対して、債務者が強制的な手段で法的に認められた金品を差し押さえ、取り立てる強制手段を意味します。そのため、差し押さえは、強制執行のひとつとして機能しており、債権を回収するために実施されます。
なお、金品となるものなら、なんでも差し押さえられるというわけではありません。差し押さえることができるものは、下記の3種類のものと決まっています。
- 不動産
- 動産
- 債権
土地や建物は、すべて不動産に該当します。一方で、土地や建物以外のものは、動産に分類されます。たとえば、家財道具や現金、土地に定着していない植木などが動産の対象物となります。最後の債権は、ある人が他の人に対して、特定の行為を請求する権利を意味します。
このように、差し押さえの対象となるものが明確に決まっている以上、それ以外のものについては、差し押さえられることはありません。
自宅の家財道具は、すべてダメ?
差し押さえされたからといって、すべての家財道具がなくなることはありません。なぜなら、66万円の現金以外にも、生活で必要な家具や寝具、衣類、マンガ、DVDについては、差し押さえてはならないと法律によって定められているからです。
そのため、怖そうな人が自宅にやってきて、「すべての家具を差し押さえるぞ!」と勝手に持ち出してしまうことは絶対にありません。他にも、債権者自身が母親や父親、妹、弟などと同居している場合、動産の特定が困難な状況になるため、差し押さえられるものが極端に少なくなります。
借金まみれの生活を送ったことで自宅の家財道具がすべて差し押さえられるということはないため、安心して生活を立て直しましょう。
会社の給料は、大丈夫?
たとえ、借金まみれでも会社で支給された給料が全額差し押さえられることはありません。では、いくら差し押さえられるのか。具体的な計算方法は、非常に簡単です。まずは、給料から社会保険料と所得税、地方税を差し引きます。その金額に対して、4分の1までの給料しか、差し押さえられることはありません。
そのため、会社の給料が全額没収されることはないので、突如として生活に困窮する可能性は、非常に低いでしょう。
自動車は、差し押さえの対象?
法的には、自動車の差し押さえは可能です。しかし、自動車の差し押さえには、一定の費用が必要となります。一般的には、20万円程度の費用を持ち出すことになります。そのため、よほどの売却益のある自動車しか、差し押さえの対象になりません。
もし、何十年も乗車している愛用の自動車であれば、借金まみれでも差し押さえられることなく乗り続けることができるでしょう。
年金は、全額没収される?
年金は、老後生活にとって欠かせないものです。借金まみれの生活を送り、滞納状態である場合、年金は没収されてしまうのでしょうか。年金は、“差し押さえ禁止財産”となっているため、老後のお金を没収されることはありません。
では、年金のお金については、一切心配する必要はないのでしょうか?実は、ひとつだけ注意点があります。それは、年金支給後に入金されている銀行口座のお金です。すでに銀行口座へ入金された年金については、差し押さえの対象となります。
そのため、年金は、支給前のものは差し押さえられないけれど、支給後に没収の対象となる点について事前に気をつけておく必要があります。
借金まみれによる差し押さえ!具体的な回避策は?
いつまでも借金まみれの生活をしていると、まともな生活設計ができません。では、どうすれば、借金によって生じる差し押さえを回避できるのでしょうか。ここでは、具体的な回避策についてご説明します。
督促状が届く前に金融機関へ連絡する
滞納状態を放置するのだけは、絶対にやめてください。遅延損害金による影響で滞納額が大きくなってしまいます。そのため、真っ先にやるべきことは、金融機関への連絡です。早ければ早いほど、被害の拡大を抑えられます。
可能なら、督促状が届く前に借入先に電話やメールで連絡をいれましょう。こちらから謝罪し、滞納した理由を述べれば、分割払いに応じてくれる可能性があります。もちろん、100%分割払いになるとは断言できませんが、突如として財産を差し押さえられるリスクを大幅に減らせます。
金融機関は、差し押さえに消極的である
金融機関は、借金まみれの人に対して、差し押さえによる強制執行を実行しますが、積極的にやっているわけではありません。むしろ、消極的な行動といえます。なぜなら、借金の滞納者からお金を回収するには、想像以上に時間や労力がかかるからです。
そのため、強制執行などの手続きをとることなく債権を回収したいと考えています。金融機関に対して、現実的な交渉をすれば、月々の返済額の総額について見直してもらえる可能性があるため、早めに相談しておきましょう。
弁護士を通じて債務整理を進める
借金まみれになり、財産が差し押さえられそうな状況であれば、弁護士を通じて債務整理を進めてください。今後の具体的な交渉については、弁護士が代理で進めていくため、差し押さえによるリスクを限りなく小さいものにできます。
では、財産の差し押さえが決定している状況では、回避できないのでしょうか。そんなことは、ありません。財産の差し押さえが決定していても、債務整理による手続きへ移行することが大切です。
一般的には、自己破産と呼ばれる手法で、生活基盤の回復を目指していきます。最終的に裁判所が自己破産による申し立てを認めれば、会社から支給される給料の差し押さえを停止、または失効できます。
【まとめ】弁護士へ相談してみよう!
借金まみれの生活をおくっており、1日も早く返済に追われる生活から解放されたいと感じているのなら、弁護士へ相談し、差し押さえを回避するための手続きを順番に進めていくことが大切です。
借金が膨大に膨れ上がり、給料の4分の1が差し押さえられてしまったら、日常生活をおくることは困難な状況に陥るでしょう。滞納者にとって弁護士は、信頼できるパートナーです。
債権者との交渉にも慣れているため、法的な知識がなくても、まったく問題ありません。必要書類はもちろん、債務整理の流れについても事前説明が受けられるため、借金問題を最短距離で解決できます。