住宅ローンなどの借金をする場合には、金銭消費貸借契約書(借用書)に実印を押すことが多いです。しかし、個人などから借金する場合、借用書に実印を押さないことがあります。借用書に実印が押されていない場合、その借用書は無効になって借金返済請求出来なくなってしまうのでしょうか。
今回は、実印なしの借用書でも借金返済請求出来るのかについて、先生に聞いてみましょう!
借用書に実印がなくても有効?

先生、こんにちは。今日は、借用書を作っても実印で押印していない場合にその借金返済を請求できなくなるのかについて、教えてください。

こんにちは。銀行等からの借り入れの場合には実印で押印することが多いですが、個人間の借り入れなどの場合には、借用書を作っても実印ではなく認印を使うことがありますね。

そうなんです。個人間の借り入れの場合には、認印もなくて、そもそも押印がない借用書の場合もあります。このように、実印なしの借用書しかない場合には、その借用書は無効になるんでしょうか?

そのようなことはありません。借金の契約の事を金銭消費貸借契約と言いますが、金銭消費貸借契約はそもそも借用書が無くても成立するものです。

ということは、借用書に実印の押印があるかないかは、借金の有効性とは無関係ということですか?

そうですね、少なくとも借用書に実印での押印がないからといって、その借金が無効になるということはありません。
実印があると借用書の信用性が高まる

実印なしの借用書でも借金が有効だということはわかりましたが、それなら借用書に実印を押してもらう必要やメリットは全くないということなんでしょうか?

いいえ、そのようなことはありません。確かに借金は口頭の契約でも成立しますが、後日借金の存在が争われた場合には、請求者側は借金の存在を立証する必要があります。

その場合に、実印が押してある借用書があると、証拠として利用出来るんですね。

そういうことです。単なる認印の借用書ならば、他者が偽造する可能性も高いですが、実印で押印してある場合には通常本人が押印したと考えられることが多いでしょう。

確かにそうですね。実印を他人が持ち出すことは難しいです。ということは、実印で押印してある借用書があると、後日借金の存在が争われた場合にも確実に請求出来るというメリットがあるのですね。

そうなります。逆に借金している側にとっては、実印で借用書を作るということは、後日借金の存在を争いにくくなる覚悟をしないといけないということになりますよ。

なるほど、それはそうですね。よくわかりました。
個人間で借用書を作るなら実印を使う

借用書に実印で押印してあると、その借用書の信用性が高まることがわかりました。

はい、だから個人間でお金の貸し借りをする場合には、きちんと借用書を作って出来れば実印で押印してもらうと後日のトラブルが減りますよ。

そうですね。実印なしでも借用書は有効だけれど、実印があるとより確実に請求出来るから、実印を使って借用書を作るといいと言うことですね。

そういうことです。
借用書のことで悩んだら弁護士相談する

今回、借用書における実印の意味を解説しましたが、借用書のことで悩んでいる場合には、弁護士に相談に行くのがおすすめですよ。

弁護士なら、実印なしの借用書や借用書を作っていない場合の対処法などもきちんと教えてくれそうですね。

はい。まずは無料相談を利用して弁護士のアドバイスを聞いてみると良いでしょう。

わかりました。ありがとうございました。
個人間の借金などで、借用書に実印での押印がない場合がありますが、借用書に実印での押印が無くても借金は有効です。ただ、実印での押印があると、後日借金の存在が争われた場合にも確実に借金返済の請求がしやすいというメリットや意味があります。実印なしの借用書のことで悩んでいる場合には弁護士に相談してアドバイスをもらいましょう。