高校や大学、専門学校などの進学の際、奨学金を利用することがあります。しかし、奨学金は借り入れ額も大きく有利子のものも多いので、子供が成人した後返済が苦しくなることが多いです。
奨学金の返済が苦しくなった場合も債務整理で解決できるのでしょうか。その場合の注意点も気になります。
今回は、奨学金を債務整理できるのかについて、先生に聞いてみましょう。
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目次
奨学金も債務整理出来る?

先生、こんにちは。今日は奨学金の返済が苦しくなった場合に債務整理で解決できるのかについて教えてください。

こんにちは。奨学金は、借り入れ金額も大きく有利子のものも多いので、子供が成人したとたんに数百万円もの借金をかかえることになってしまうこともあります。

そうなんです。それで奨学金の返済が出来なくなってしまう人も多いのですが、奨学金も債務整理の対象になるんでしょうか?

奨学金は債務整理出来ます。ただ、奨学金を債務整理する場合には、いくつか注意点がありますよ。

そうなんですね。
注意点その1~任意整理が難しいことがある~

奨学金を債務整理する場合、まず1つ目の注意点として、奨学金の任意整理が難しいことがありますよ。

そうなんですね。それは奨学金の借り入れ先とうまく交渉出来ないからですか?

そうです。奨学金の借り入れ先としてもっとも有名なのは日本学生支援機構ですが、この債権者はほとんど任意整理の話し合いに応じません。

たとえば返済金額や返済方法の変更などの交渉に応じてくれないと言うことですか?

そういうことです。弁護士や司法書士が介入して奨学金の返済条件を決め直そうとしても、まったく話し合いに応じないのでそれ以上話を進めることが難しくなってしまいます。

個人再生や自己破産なら手続きできるんですか?

出来ます。それらの手続きの場合には、裁判所を通じて強制的に借金額が減額されたり支払義務がなくなったりするので、日本学生支援機構が拒否したいと考えても拒絶することは出来ません。

じゃあ、奨学金を債務整理したい場合には個人再生や自己破産を利用すると良いのですね。

はい。ただ、奨学金以外の借金もある場合には、奨学金以外の借金を任意整理するという方法も有効ですよ。

なるほど、確かにそうですね。
【ポイント】奨学金には返済猶予or減免制度がある
奨学金が払えないからといって、必ずしも債務整理を始めるべきとは言えません。収入減や病気・ケガに備え、日本学生支援機構等の各種奨学金には「返済猶予制度」や「減免制度」があるからです。
今の状況でどのような救済制度を利用できるか確かめてからでも、債務整理は遅くないでしょう。
注意点その2~奨学金を債務整理すると親にバレる~

奨学金自体を債務整理する場合には個人再生や自己破産が有効ですが、奨学金を債務整理すると親にバレてしまうというリスクがありますよ。

それは、親が連帯保証人になっているからですか?

そうです。奨学金を債務整理すると、借り入れ先は連帯保証人である親に返済請求をしますので、債務整理した事実が親に判明してしまいます。

それを避けるには、任意整理で奨学金を外して債務整理するしかないんですね。

そういうことです。
注意点その3~ブラックリスト状態になる~

奨学金を債務整理する場合、ブラックリスト状態になってローン借り入れが出来なくなることにも注意が必要ですよ。

ブラックリスト状態とは、債務整理手続後5~10年程度の期間、ローンやクレジットカードを利用出来なくなることですよね。

そうです。奨学金を債務整理した場合にもブラックリスト状態は避けられません。

そうなんですね。
奨学金を債務整理したい場合には弁護士相談する!

奨学金を債務整理する場合の注意点はわかりましたが、奨学金を債務整理する場合、いろいろな問題がありますね。

はい、だから奨学金を債務整理したい場合には、弁護士に相談してアドバイスをもらう必要がありますよ。

じゃあ、まずは無料相談を利用するとよさそうですね。

そのとおりです。がんばってくださいね!
奨学金も債務整理の対象になります。奨学金を債務整理する場合、任意整理が難しい場合があること、奨学金を債務整理すると親にバレること、ブラックリスト状態になることなどに注意が必要です。奨学金を債務整理したい場合には弁護士に相談をしてアドバイスをもらいましょう。