闇金には「乱暴な口調で取り立てされる」「トイチ(違法な高金利)」といった典型的なイメージが伴います。
ところが、そうとも限りません。丁寧な対応と一見問題なさそうな契約条件をちらつかせ、困っている人を誘い出す業者が増えています。闇金であることを堂々と宣言する業者まで現れました。
何があろうと絶対にヤミ金を利用してはならない理由を、近年の特徴や手口を元に解説します。
目次
そもそもヤミ金って?
融資を行う業者は貸金業登録が必要ですが、闇金は登録していない(もしくは取り消されている)ため「無登録業者」と呼ばれます。ほぼ全ての業者が法定上限を超える契約金利を設けており、わざと完済を阻んで利息収入を稼ごうとするのが特徴です。
かつては日賦貸金業者(返済期間100日以内の業者)や電話担保金融といった名のもとに、年利50%以上にも高金利が認められていました。しかし現在では法定上限金利は20%に制限されています。もしそれ以上の契約金利を提示されているのなら、ほとんど確実に違法業者です。
ヤミ金に狙われやすい人
闇金は「銀行や消費者金融からは借りられない事情のある人」をターゲットにします。
闇金のターゲットになりやすい人
- 65歳以上の高齢者
- 自己破産or個人再生した人
- フリーランス・個人事業主
- 専業主婦
正規の貸金業者のほとんどは利用に年齢制限を設けており、高齢者だと申込すら出来ません。自己破産や個人再生をした人の情報は、官報を見る方法さえ分かれば誰でも入手できます。
金融信用力が低い職業だと、急遽お金が必要になったタイミングで闇金の勧誘に引っかかりやすいのが問題です。
ヤミ金の手口
ここからは、実際に使われている手口の代表的なものを紹介します。以下に心当たりのある人は、なるべく早く借金問題に強い弁護士に相談しましょう。
大手金融機関によく似た名前&ロゴを使う
長らく用いられているのが、わざと紛らわしい名前を使って大手企業と誤認させる手口です。かつてはこんな名前の闇金業者も存在しました。
【大手金融機関とよく似たヤミ業者名の例】
「三井住友ファイナンス」
「アプラスキャッシング」
「アリココーポレーション」
→どれも銀行やクレジットカード会社とは全く無関係の会社です。
なかには、周到にホームページまで準備している業者まで存在します。
ハガキや電話で勧誘する
闇金業者は広告を出せません。そこで、ハガキや電話で勧誘してくるのが特徴です。うっかり問い合わせてしまうと、魅力的な契約条件や「ブラックでも借りられる」という誘い文句で契約させられてしまいます。
やたらと手数料を徴収する
ほとんどの闇金業者が「紹介手数料」「事務手数料」といった名目で、元本にやたらと手数料を上乗せしたがります。これこそ完済を阻止する手口です。
契約金利を法定上限内に納め、手数料で不当に稼ごうとする業者も存在します。
通帳や年金手帳を預けさせる
更に多いのが、給与が振り込まれる通帳や年金手帳を預けさせようとする手口です。
年金はそもそも差押えも権利売買も禁止されていますし、通帳は裁判所で差押え手続きをした人物しか取り上げることは出来ません。
それを知らない利用者を相手に「通帳を預けておけば面倒な返済手続きはいらない」「担保として預かっておきたい」といった方便が使われています。
堂々と「ソフト闇金」だと名乗る
なんと、誰でも借りられて取り立てが厳しくないという意味で「ソフト闇金」と名乗る業者まで存在します。
表面上の対応こそ丁寧ではあるものの、ここまで紹介した違法な手口は一通り使っていると考えるべきです。
ヤミ金が危険とされる本当の理由
ヤミ金の利用者のなかには、最初から薄々あぶない業者だと気づいている人も少なからずいます。それでも借りるのは「正規業者に対する借金がどうしても返済できない」「高金利以外のデメリットが分かりづらい」といった理由からではないでしょうか。
そもそも、ヤミ金でお金を借りても借金問題は解決しません。お金をだまし取られること以上の見過ごせないデメリットも確かに存在します。
犯罪に加担させられる
闇金の目的は利息収入を得ることだけではありません。後ろめたい事情のある人から銀行口座や労働力を集める目的もあります。
返済が遅れると「銀行口座を買い取る」と申し出られたり、指定された相手(別件の詐欺被害者)に電話をかけさせられて集金させられたりするケースが相次いでいます。
どれも犯罪行為ですが、知らずに加担してしまっています。
闇金業者がわざと「犯罪に加担している」ということを指摘し、逮捕されたくないという利用者の気持ちを利用する例すらあります。
家族が巻き込まれる
いったん闇金に関わってしまうと、家族を巻き込むことはほぼ確実です。
当然業者は貸金業法の督促ルールを守らないので、プライバシーに一切配慮することなく自宅や職場にコンタクトをとろうとします。本人の代わりに支払わせようとするケースがあるのは、もはや言うまでもないでしょう。
「秘密厳守」と広告で謳っていても、秘密にしたい気持ちを逆手にとられてしまうのが闇金の恐ろしさです。
借金の悩みは債務整理で解決する
すでにある借金のせいで追加融資を受けられないなら、ヤミ金利用ではなく債務整理で解決すべきです。
「どうせすぐに解決しない」「借金が大幅に減るわけではない」と債務整理に期待しない人もいますが、それは誤りです。
最短即日で返済不要になる
弁護士に債務整理を任せると、まず「受任通知」が債権者へ届けられます。
これを見た消費者金融・銀行は、以降の取り立て行為を禁じられます。整理が終わるまで便宜上返済が不要になり、電話や郵便物によるコンタクトも一切行われません。
受任通知が送付されるのは、弁護士と契約した日か、遅くともその翌日です。
つまり、最短即日で返済のプレッシャーと督促に対する恐れから解放されるのです。
最低でも金利はゼロに出来る
借金を完済できない原因の多くは、日々上乗せされる金利です。法定上限を守る正規業者であっても、決して利息が安いとは言えません。
弁護士が任意整理交渉を行うと、ほぼ全ての例で契約金利を0%にしてもらえます。総返済額が確定することで先々の計画が立てやすくなり、精神的不安と経済的不安を一挙に解消できます。
行政による生活扶助サービスも教えてくれる
生活保護をはじめとし、困窮者を援助する行政サービスは多数あります。債務整理を依頼するときに、自分が利用できそうなサービスを弁護士に教えてもらうこともできます。
断られるケースが多いとされる生活保護も、債務整理中であることを担当者に伝えるだけで、必要性を理解してもらえる可能性が高くなるでしょう。
まとめ
ヤミ金には利用者を騙す様々な手口があります。一見すると高金利以外のデメリットがないように思えますが「犯罪に加担させられる」「秘密を周囲に暴露される」という現実の例を無視することは出来ません。
借金問題や生活苦を解決したいのなら、債務整理を検討しましょう。